◆脳トレで介護予防
脳トレは高齢者の方々の認知症予防や介護予防に効果があるとして、あらゆる介護福祉の現場においてレクリエーションに積極的に取り入れられています。
近年テレビ番組などでも取り上げられゲームソフトが大ヒットしたため、高齢者でなくとも実際に脳トレに取り組んだことがあるという方も多いのではないでしょうか。

脳トレをすることで得られる効果としては、脳の活性化・記憶力や思考力の向上・脳年齢の若返りなどがあります。
良いこと尽くめの脳トレ、デイサービスに通所されている利用者の皆様にも是非取り組んでいただきたいですよね。
「何でこんなことしなきゃいけないのかしら」と思いながらでは意欲も湧いてこないと思いますので、脳トレの効果やメリットを伝えて積極的に取り組んでいただけるよう工夫してみましょう。
◆簡単なものから始めましょう

難しすぎたり時間がかかりすぎたりすると、意欲や集中力が続かず楽しんで行うことができません。
レクリエーションがストレスの原因になってしまうことは避けなければなりませんので、まずは皆さんが気軽に参加できるような馴染みやすい脳トレから始めるとよいでしょう。
利用者様の人数や能力値に合わせたレクリエーションを企画して、皆様に楽しみながら脳トレに取り組んでいただきましょう。
◆みんなでできる簡単な脳トレ
ここからは利用者様に合わせて難易度の設定がしやすい脳トレの具体的な例をご紹介します。
◎手の機能訓練をしながら脳トレ
声に合わせて腕や指を曲げ伸ばしすることで、脳を活性化させます。
難易度:☆
「グー・パー」の声に合わせて手を閉じたり開いたりします。
利用者の皆様も一緒に声を出しながら行うことがポイントです。
難易度:☆☆
両手を胸の高さに構えてもらい、グーの時は胸の横・パーの時は胸の前に突き出すといった感じで、「グー・パー」の掛け声に合わせて腕の曲げ伸ばしを行います。
腕を曲げた時をパー、伸ばした時をグーにしてみるなど、慣れてきたら動きに変化をつけることが飽きずに続けられるポイントです。
◎思い出しゲームで脳トレ
人の脳は「思い出そう」とするだけでも活性化します。
そして思い出せた瞬間のひらめきが脳にとても良い刺激を与えるそうです。
難易度:☆
昨日食べたものや若い頃に好きだった歌など、日常会話程度の比較的思い出しやすいことをクイズ形式で答えてもらいます。
難易度:☆☆☆
名前に「ア」がつく動物3つや「山」という漢字が入っている都道府県3つなど、明確な正解があるお題を作って思い出してもらいます。
知識がなければ答えられえないような問題でなく、思い出せば答えられる範囲でお題を作ることがポイントです。
動物や植物の名前などたくさん答えがあるものだとお題を作りやすいかと思います。
◎歌に合わせて脳トレ
リズムや歌詞に合わせて体を動かすことで脳が活性化します。
難易度:☆
「むすんでひらいて」や「しあわせなら手をたたこう」などの歌にあわせて、手をグー・パーしたり、手拍子を打ったりしてもらいます。
難易度:☆☆
手だけではなく足なども使うようにします。(むすんでひらいてならば“むすんで”で膝を閉じて“ひらいて”で膝を開くなど)
難易度:☆☆☆
「お弁当箱のうた」や「げんこつ山の狸さん」など曲の全編に振りがついている曲に挑戦します。
また、高齢者の方に馴染みのある楽曲(時代劇のテーマソングなど)にオリジナルで振りを付けても良いでしょう。
みんなで一緒に歌いながら体を動かします。
こうした童謡を使ったレクリエーションは幼稚なように感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
やる気や意欲をもって取り組んでいただくためには「音楽に合わせた体操」であることをアピールすることが肝要です。
「声を出すことで肺活量を鍛えられます。「健康に良いですよ」や「指を動かすことで脳が刺激されますよ」など、健康のため体操であることを説明すると良いでしょう。
◆大事なのは利用者様が楽しめること

私が以前勤めていたデイサービスでは利用者様からの希望で麻雀や花札、パソコンゲームまで幅広いレクを行っていました。
どれも利用者様ご本人のしたいことであると同時に、頭と指先を使う立派な脳トレです。
楽しみながら脳トレに取り組んでいただくために、利用者の皆様の関心があることや夢中になれることに合わせて少しずつ内容を工夫することが大事ですね。
脳トレのここに注意!!
利用者様が脳トレに疲れてしまい、やる気がなくなるのは意味がありません。
あくまでも本人が楽しんでいることが前提で行いましょう。
また、脳トレをする効果や意味についてもしっかり伝えてください!利用者様が率先して脳トレに挑むような姿勢が一番好ましいですからね!