デイサービスでのリハビリを考える方の中には、音楽療法という言葉を耳にしたことがある方も多いかと思います。
音楽をレクリエーションに取り入れることは、心理的な安定や心肺機能の向上が期待できます。
音楽療法とは
(おんがくりょうほう、英語: Music therapy)は、音楽を聞いたり演奏したりする際の生理的・心理的・社会的な効果を応用して、心身の健康の回復、向上をはかる事を目的とする、健康法ないし代替医療 Alternative Medicine あるいは補完医療 Complementary Medicine(いずれも「現代西洋医学領域において、科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系の総称」と定義され、現代的な意味での医療とは区別される)。歌唱や演奏を行う能動的音楽療法と音楽を聴くなどの受動的音楽療法の2つに分かれる。

◆デイサービスで歌声喫茶
レクリエーションとして歌声喫茶をやっているデイサービスがあります。
歌声喫茶とは、お客さんがみんなで一緒に歌を歌って楽しめる喫茶店です。
1950年代から60代にブームになりました。今の70代から80代のお年寄りは、ちょうど歌声喫茶世代になります。
ちなみに、2000年代ごろから、若者の間で再ブームしているそうですよ。
歌声喫茶は、好評の声が多いレクリエーションです。
みんなで一緒に歌うことで、カラオケとは一味違った一体感が生まれます。
歌う順番をじっと待つ必要もありません。歌が苦手な人も、大勢で歌うので楽しく参加できます。
逆に、歌が好きな人には、前に出て歌ってもらうこともできます。
お菓子やお茶を楽しみながらみんなでワイワイと楽しい時間を過ごすことができます。
歌声喫茶を実際にやる時には、スタッフの役割分担が重要になります。主なスタッフの役割をまとめました。
デイサービスで歌謡喫茶
①前に出て司会進行したり、歌を積極的に歌う
②お年寄りの席の近くでコミュニケーションをとりながら盛り上げる
③お茶やお菓子をすすめながら、誤嚥などが無いように見守りをする
④曲の再生、歌詞カードを用意するなどの裏方作業
利用者の数によっては、役割を兼任して実施することができます。
歌を前で歌う役割は、お年寄りにお任せできる場合はぜひやってもらいましょう。
イベントとして大々的に行う時には、部屋を飾りつけたり衣装を用意すると盛り上がります。
もちろん、お菓子やお茶は別の時間にしてシンプルに小規模開催することもできます。
地域に合唱ボランティアなどがいるなら、ゲストとして参加してもらうのも良いかもしれません。
歌詞カードづくりはスタッフが行っても良いですし、利用者さんに脳トレとして書いていただくこともできます。

利用者さんに当時の思い出を聞きながら、どんな曲がいいかを決めていきましょう。
締めの一曲は「ふるさと」など誰もが一緒に歌える歌がおすすめです。
◆リズム体操
音楽に合わせて体を動かすリズム体操は、多くのデイサービスで実施されているのではないでしょうか。
音楽を聴いて身体を動かすことは、総合的なリハビリになります。
デイサービスの基本ともいえるリズム体操。ですが、利用者さんが楽しめる内容にするには工夫が必要なレクでもあります。
リズム体操が子どものやるお遊戯会のように感じられてしまうと、お年寄りはレクを心から楽しむことができません。
お年寄りはあくまでも大人だと、意識しなくてはなりません。
子どもの歌を使わずに、演歌や歌謡曲に振付をつけるなどの工夫でお遊戯感を軽減することができます。
氷川きよしの「きよしのズンドコ節」などは、お年寄りも振り付けを知っているのでおすすめです。
子どもの歌を使うなら、何か目的をもって取り組める工夫が必要です。
お孫さんと会うのを楽しみにされている利用者さんが多ければ、子どもに人気がある「ようかい体操第一」などを練習しても良いでしょう。
体操のリハビリ効果をきちんと説明して、効果のある体操だということを分かっていただくことも効果的です。
◆音楽レクは大人の楽しみを意識しよう
音楽を使うレクリエーションは、楽しい雰囲気を作りやすいので人気があります。
手軽に楽しさを演出できるからこそ、利用者が大人であることを意識してレクをセッティングすることが必要です。
大人の楽しみとして音楽レクを実施して、ワンランク上のケアを目指しましょう!
若いスタッフさんの中には、お年寄りが好きな「演歌」などは全くわからない人もいるかもしれません!
それでも、一緒に歌ってあげると利用者様も喜びますよ。
この機会に、お年寄りの好きな演歌の曲をいくつか覚えてみてください!
最初は有名な曲から初めて見ても良いと思います。
「そんなに若いのに歌えるのね!」ということで利用者様からも人気者になれるかも!!